Not so open-minded that our brains drop out.

科学とニセ科学について書くブログ

案の定、由井寅子氏が放射能に対処するホメオパシーのレメディについて語りだしたらしい件

すでに先日のエントリーでホメオパシー提唱者たちが震災に便乗しようとしていることを指摘した。加えて、そのエントリーでは過去に震災に便乗したホメオパシー提唱者たちには、原子力関係のデマを広めているケースがあったことも紹介した。本エントリーでは…

震災に便乗するホメオパシー提唱者たち

テレビ等であの惨状を目にすれば、被災者のために何かをしたいと思うのは自然な心理だろう。しかし、その善意がホメオパシーという下らないニセ療法に向かうとすれば、それは善意をドブに捨てているようなものだ。これは善意を無駄遣いさせられているホメオ…

ホメオパシー記事の訂正を拒む朝日新聞WEBRONZA

朝日新聞社が運営するニュースサイト WEBRONZAにホメオパシーが注意欠陥・多動性障害(ADHD)に有効であるとする研究を紹介しホメオパシーを肯定的に扱った記事が掲載されたのは昨年の12月13日だった。その後、twitterで批判的な議論がなされ*1、当ブログでは…

元自衛隊 陸将補の池田整治氏のメルマガの陰謀論が中二病じみている件

約一年前のエントリーで指摘したように、池田整治氏は週刊SPA!の誌面で予防接種は有害且つ陰謀の産物であり、病気の予防にはホメオパシーが有効だとする持論を展開してしまったアレな元自衛隊員である。当時は現役の一等陸佐だった池田氏だが、昨年の12月、…

朝日新聞WEBRONZAのホメオパシー記事、そんな事後対応で大丈夫か?

朝日新聞社のニュースサイトWEBRONZAにホメオパシーに好意的な記事*1が掲載され、それに対してTwitterでは批判的な意見が飛び交い*2、私もその記事の不備を指摘するエントリーを書いた。WEBRONZA側もそれらの批判に応え、朝日新聞科学医療グループの久保田裕…

朝日新聞WEBRONZAの記事で紹介されたホメオパシーでADHDが顕著に改善したとする二重盲検の話は本当か?

追記:朝日新聞WEBRONZAさんへ: 記者がヒトデの脚なら、編集長/編集長はヒトデのどこなんでしょう? 私の記事にリンクをはるのは一向に構いませんが、それだけでは何一つ検証したことにはなりませんので、万が一にも誤解なきようにお願いします。それから、ヒ…

山口ホメオパシー訴訟は和解で終結。しかし、ホメオパシー団体は"言いたい放題"

ホメオパシー助産師が乳児に対するビタミンKの投与を怠り死亡させたとする山口での訴訟は、被告の助産師側が原告側に和解金を支払うという形で終結した。朝日新聞によれば、 生後2カ月の長女が死亡したのは、ホメオパシーという民間療法をする助産師が適切…

ホメオパシー利用者の体験談とホメオパシー的アドバイス まとめ - ガンから心霊体験まで

ホメオパシージャパン系の学校ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー英国本校(RAH-UK)のサイトには「ホメオパシー体験談紹介」*1という体験談投稿ページがある。投稿内容は文字通りの体験談や病気(時には悩み事)に関する相談、ホメオパシーに関する意見…

『エチカの鏡』が子どもをターゲットにした怪しげな"遺伝子検査"の宣伝に一役買っている件などについて

『エチカの鏡』はフジテレビ系列で放送されていたテレビ番組である。放送は今年の9月に終了しているようだ。私はこの番組を毎週チェックしていたわけではないのだが、たまたま見たのは『脳科学おばあちゃん』こと久保田カヨ子 氏が育児に関して好き勝手な説…

千島学説呪縛を解く3 白血病の子どもと千島学説

最近ではホメオパシーが絡み乳児が死亡してしまったとされる訴訟が報道*1され、またネット上では通常医療の医薬品を止め飽くまでホメオパシーで対処しようとする腎臓病の子どもの親の相談とホメオパシーの"先生"の回答が物議を醸した*2。ホメオパシーに限ら…

ホメオパシージャパン系サイト、リファラによりはてブ経由のアクセスを制限か?

追記: 2010/10/26 19:35の時点では本エントリーで当初報告したような制限は解除されたようだ。ホメオパシージャパン株式会社系の少なくとも一部サイトで、はてなブックマークからのアクセスがリファラ*1により制限されているようだ。URLを直接ブラウザのアド…

流産した女性に日本ホメオパシー医学協会会長の由井氏が掛けた信じがたい言葉

由井寅子氏は著書『ホメオパシー的妊娠と出産』の中で流産を経験した女性とのやり取りについて以下のように語っている。 あるお母さんがステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)のコルチゾン(一般名:強力レスタミンコーチゾン)をとり続けていました。この方はアト…

ホメオパシーとジェームズ・ボンドと抗酸化作用

フランスの免疫学者ジャック・ベンベニスト(Jacques Benveniste)は分子が一つもなくなるレベルにまで希釈した抗体溶液(つまり、ただの水!*1 )が白血球に作用して脱顆粒という現象を誘発するとする論文を発表した*2。この論文は、同様の極端に希釈した溶液を…

面接官「特技はホメオパシーとありますが?」

面接官「特技はホメオパシーとありますが?」 学生 「はい。ホメオパシーです。」 面接官「ホメオパシーとは何のことですか?」 学生 「自然療法です。レメディーで自然治癒力を高めます」 面接官「え、レメディー?」 学生 「はい。レメディーです。砂糖粒…

ウィキペディアに駄目出しして墓穴を掘る日本ホメオパシー振興会の永松氏

一連のホメオパシー批判の発端となった山口のホメオパシー助産師の訴訟*1を筆頭に、悪性リンパ腫の患者の死亡に纏わる"あかつき問題"*2、沖縄のホメオパシー養護教諭の件*3など、報道されているホメオパシー関連事件の多くは*4ホメオパシージャパン系の日本…

琉球大医学部のホメオパシーの講義に使われた(と思われる)教科書を読む

朝日新聞*1と沖縄タイムス*2は、琉球大学医学部保健学科の「助産診断・技術学」の講義でホメオパシーが教えられていたと報じた。問題の科目はホメオパシーに特化した講義というわけではなかったようだが、助産師志望の学生の必修科目であり2004年から計34人…

修士論文『ホメオパシーにみられる心理治療』を読んで

JPHMA&HMA認定ホメオパス、すなわち由井寅子氏率いるホメオパシージャパン系のホメオパスの高橋佳子氏が自身のウェブサイトで修士論文を公開していたので、興味深く拝読した。引用歓迎とのこと*1なので、詳しく批判したいと思う。 修士号の取得元は? 何につ…

日本助産師会会員の助産所の12ヶ所に1カ所はビタミンKの代わりにホメオパシーのレメディを与えたことがある。

かねてから進められていた社団法人 日本助産師会のホメオパシーについての実態調査の結果が公表された。その内容は日本助産師会のウェブサイトで読むことができる。http://www.midwife.sakura.ne.jp/midwife.or.jp/pdf/homoeopathy/homoeopathy220907.pdf 調…

日本学術会議のホメオパシー否定会長談話とホメオパシー関連団体の反応

日本学術会議がホメオパシーを否定する会長談話を発表した*1。日本学術会議は政府から独立して職務を行う内閣府所管の「特別の機関」であり、日本の科学者の代表機関である。ちなみに現在の会長は医師で東大名誉教授の金澤一郎氏で、以前から厚生労働省の審…

ホメオパシー支持者は『天動説を唱えたガリレオ』だッ(キリッ

由井寅子氏が代表を務めるホメオパシージャパン系団体、日本ホメオパシー医学協会が今度は週刊新潮の記事にコメントを出した。 http://jphma.org/About_homoe/jphmh_answer_20100819.html 新潮の記事に一定の評価を下す日本ホメオパシー医学協会 新潮の記事…

TBSラジオ Dig「ホメオパシー問題から代替医療を考える」を聴いて

TBSラジオのDigという番組の8月19日の放送で「ホメオパシー問題から代替医療を考える」というテーマが扱われた。パーソナリティは荻上チキ氏*1と外山惠理氏でゲストは医療ジャーナリストを自称する田辺功氏*2。阪大の菊池誠氏と民主党参院議員の櫻井充医師*3…

ホメオパシー団体とその他の関係団体 相関図

複雑極まるホメオパシーとそれに関連する団体の関係を相関図にまとめてみた。 ソース・参考文献 社団法人日本助産師会、日本ホメオパシー振興会、International Academy of Classical Homeopathy日本校の見解、由井寅子著『ホメオパシー的妊娠と出産』の問題…

朝日新聞の記事に対するホメオパシージャパン系団体の滅茶苦茶な反論と謎の「隠しコメント」

朝日新聞は7月31日の記事で「ホメオパシー」を名指しした上で、山口のビタミンK2不投与訴訟に言及してホメオパシーの批判記事を掲載していた*1が、8月5日*2には、さらに踏み込んだ内容の記事を公開した。押さえるべき点は余すことなく書かれているが、特に日…

ホメオパシーについての読売と朝日の詳報とホメオパシージャパンの反応

訴訟が起こったことを最初に報じた読売新聞は、今回の訴訟についての解説記事を7月31日に出した。同時に朝日新聞もBeの紙面で、訴訟の件も含めてホメオパシーの特集*1を掲載した*2。 読売の記事について 読売新聞の記事は朝日と同着一位とは言えホメオパシー…

千島学説呪縛を解く2 千島学説信奉者が豚インフルエンザ騒動を批判するとこうなる。

千島学説の信奉者である稲田芳弘氏は、ガン治療のみならず、現代医学に基づく感染症対策にも概して否定的な立場をとっている。例えば、稲田氏は自身のウェブサイトの『豚インフルエンザ対策の愚』という記事で以下のように述べている。 医学の基礎理論のこと…

千島学説呪縛を解く1 千島学説の概要とそのロジック

千島学説とは医学博士の千島喜久男氏が唱えた*1ユニークな生命現象についての"学説"である。新生命医学会のサイトによると千島学説は以下の8大原理から構成されているらしい。 第1原理 赤血球分化説 1932年発表 …畜産学粋…明文堂 (赤血球は凡ての体細…

医療政策の中のホメオパシーとロビー活動。一方で警鐘も

以前のエントリーで指摘したように、長妻厚生労働相は国会の予算委員会でホメオパシーを含む統合医療の研究に厚生労働省として注力していくことを表明した。大臣の答弁で言及された「統合医療の省内でプロジェクトチーム」は統合医療プロジェクトチームとし…

事件とは無関係の日本ホメオパシー振興会の言い分〜穏健なホメオパシー団体には自浄作用が期待できるか?

ホメオパシー助産師が乳児の病気予防に必要なビタミンK剤を与えずレメディで代用していたために乳児が死亡してしまったとして母親が損害賠償訴訟を起こした件*1だが、事件とは無関係だという日本ホメオパシー振興会がコメントを出した。 ホメオパシーの派閥 …

助産師提訴に関しての日本助産師会の非常にお粗末な対応

読売新聞が報じ、前のエントリーで取り上げたように、助産師が病気の予防に必要なビタミン剤を与えなかったために女児が死亡してしまったとして女児の母親が助産師を提訴した。助産師は偽医療の一つであるホメオパシーの錠剤をビタミン剤の代わりに与えてい…

ホメオパシー助産師が提訴された件について

ある女児の死亡をめぐる訴訟が読売新聞の記事で取り上げられた。 山口市の助産師(43)が、出産を担当した同市の女児に、厚生労働省が指針で与えるよう促しているビタミンKを与えず、代わりに「自然治癒力を促す」という錠剤を与え、この女児は生後2か月…