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Not so open-minded that our brains drop out.

科学とニセ科学について書くブログ

震災に便乗するホメオパシー提唱者たち

テレビ等であの惨状を目にすれば、被災者のために何かをしたいと思うのは自然な心理だろう。しかし、その善意がホメオパシーという下らないニセ療法に向かうとすれば、それは善意をドブに捨てているようなものだ。これは善意を無駄遣いさせられているホメオパシー信奉者にとっても不幸なことだし、何より被災者に対して失礼極まりない行為だとも言える。彼らはだだの飴玉を、さも薬のようなものであるかのように宣伝し推奨しているのだ。ホメオパシー提唱者たちに商業的宣伝の意図がないにしても、結果的に今行われている行為が便乗行為にしかなっていないのは事実だろう。

恒例のホメオパシージャパン系団体の「義捐活動」

すでに『ほぼ日刊カルト新聞』が伝えているように、株式会社ホメオパシージャパン系のホメオパシー団体、日本ホメオパシー医学協会が「義捐活動」を開始している。

大地震によるショックから深い心の傷となるPTSD心的外傷後ストレス障害)にならないために、早いうちにホメオパシーで対処する事が望ましいと思います。以下のレメディーは心のショックにとっても良いレメディーです。キットからご自分で対応出来ます。
(過去にこのような経験でPTSDをお持ちの方も以下のレメディーで対応出来ます)
 Acon. (恐怖、後に恐怖が続く)
 Op.(恐怖、恐怖の感覚が麻痺するほどの恐怖)
 Arg-n. (恐怖、パニック)
 Stram.(恐怖)
 Ars.(不安、心配、下痢)
 Arn.(打撲、ケガ) 
 の各200C

(引用元: http://jphma.org/gienkatsudo/20110311_miyagi.html)


ホメオパシージャパン系団体による便乗行為は今回が初めてではない。実は、2004年の中越地震*1、2006年の中越沖地震*2、2010年のハイチ地震*3でもホメオパシーを通じた「支援」が行われていたのだ。

他のホメオパシーホメオパシー団体も震災に便乗

先述の株式会社ホメオパシージャパン系の団体とは別系統のホメオパシー団体である日本ホメオパシー振興会・ハーネマンアカデミーの永松昌泰学長も被災者に「ほとんどオールマイティーともいえるくらいの素晴らしい力を発揮」してくれるレメディを勧めている。

今日のような状況の場合、
広く一般的に摂っていただけるレメディーが幾つもありますが、
その中でも代表的なものを挙げましょう。

Aconite と Ignatia です。
http://nihon-homeopathy.net/selfcare/remedy/materiamedica/aconite.htm

http://nihon-homeopathy.net/selfcare/remedy/materiamedica/aconite.htm


どちらも広く使えるレメディーですが、
現在のような場合に限定して書きます。

アコナイトは、とにかく「突然」のことによる
心身のショック的状態。
怪我、トラウマに対して、
ほとんどオールマイティーともいえるくらいの
素晴らしい力を発揮してくれます。

(引用元: http://www.hahnemann-academy.com/blog/2011/03/post_193.html 強調は引用者による。)


山口でホメオパシーに頼った助産師がビタミンKの投与を怠った結果、乳児が亡くなってしまったとして訴訟が起きた際、この日本ホメオパシー振興会は、問題を起こしたホメオパシージャパン系の団体のホメオパシーは「本来のホメオパシー」ではなく、自分たちの「本来のホメオパシー」は別物だと必死にアピールしていた*4。今回は図らずも同じ穴のムジナであることを露呈してしまった形だ。

ホメオパシー提唱者によるデマに注意

ホメオパシーという科学的にデタラメなものを信じている時点で、ホメオパシー提唱者たちによる科学に関係する言説は傾聴に値しないと言ってもいいだろう*5。実際、中越沖地震の時に、あるホメオパシー提唱者はこんなことを書いている。

原発の事故で放射能汚染が心配されています。地震直後に現地を視察したホメオパシー関係者の弁だと、視察後にひどい脱力感に襲われた様子です。まるでたちの悪いインフルエンザにかかってぐったり寝込まなければならない状態だったらしいのです。まさしくこれは放射能に汚染された時の症状です。

あるホメオパシー流派の団体がいち早くレメディの寄付をしたというニュースが伝わってきました。迅速な行動には頭が下がります。でもやはり「相変わらずの大量投与の原則」がとられていて、こんなに放射線関係のレメディを大量にとっていいものなのか、かえって体に悪くはないのだろうか、との不安の声も上がってきています。

ホメオパシーのレメディを有効に深く効かせるには、やはりここでも原則は「最少投与の原則」です。

チェルノブイルでも実証済みのレメディの使い方がホットな情報で入ってきましたので、すこしずつここで紹介していくことにしますhttp://blogs.yahoo.co.jp/setsu_forum_k/23403630.html。レメディの入手をお考えの方は以下からアクセスしてみてください。何か手助けできるかもしれません。

(引用元:http://blogs.yahoo.co.jp/setsu_forum_k/23265554.html 強調は引用者による)


このようなデマは地震直後にいらぬ不安を煽るばかりか、今後の復興にも悪影響を与える可能性があるという意味で悪質だ。中越沖地震の際には、放射能漏れが人体に影響を与えないレベルに留まったにも関わらず、風評被害が地元の漁業関係者や観光関係者を悩ませた*6

今回の地震による原子力発電所でのトラブルが今後どのように推移するのかは分からないが、不確かな情報に惑わされないように注意したい。

*1:http://homepage.mac.com/hatta501/iblog/C450134500/E263702789/index.html

*2:http://www.jphma.org/gienkatsudo/tyuetsu.html

*3:http://www.jphma.org/gienkatsudo/2010_haiti.html

*4:http://www.hahnemann-academy.com/information/new/comment_2010_08_05.html

*5:もちろん、ホメオパシーと関係なく、大規模震災のときにはデマが生まれやすいので、ホメオパシー提唱者だけが特別危険だとは言い切れない。ホメオパシーと無関係なデマにも同様の注意が必要だ。

*6:http://www.news24.jp/articles/2007/08/16/0490864.html

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