バイオだらけの桃太郎
昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんが実験室へピペットマンのチップ詰めに、
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おばあさんが機器室へフローサイトメトリーに行くと、検出部に大きな細胞がドンブラコドンブラコと流れてきました。
「こんなに強い前方散乱は見たことがない。セルソーターでソーティングして分取しよう。」
実験卓に持ち帰って細胞を破砕してみると、細胞の中から小さな男の子が出てきました。
「大きな細胞から生まれたから、名前はMassive cell Originated MOTive and ARrival Orphan、略してMOMotArOにしましょう」
すくすくと培養されたMOMotArOは、ある日おじいさんとおばあさんに言いました。
「おじいさん、おばあさん。僕は第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会参加のためポートアイランドに行ってきます」
MOMotArOが神戸ポートアイランドヘ向かっていると、向こうからパブロフの犬がやってきました。
「MOMotArOさん、お腰につけたきび団子、ひとつ私にくださいな」
きび団子を出す素振りだけで、犬がよだれを垂らしてついてくるのを確認したMOMotArOは、続いて野生の猿に出会いました。
「MOMotArOさん、お腰につけたきび団子、ひとつ私にくださいな」
安易な野生動物への餌付けが生態系を乱すことを懸念したMOMotArOは猿との適切な距離を保ちました。
続いてMOMotArOは、生まれたばかりのキジに出会いました。
キジはインプリンティングの結果、MOMotArOを親と勘違いしてついて来ました。
MOMotArO一行がポートアイランドに着くと、そこではPIたちがシンポジウムの真っ最中。MOMotArOはPI達に向かって言いました。
「すみません、理解できていないのは私だけかもしれませんがー」
いっせいにPI達に跳びかかりました。
キジは大御所の名前を間違えてその場を変な空気にしました。
犬はPIに噛みつき、
「見当違いな指摘ならすみませんが」
と本当に見当違いな指摘で質問時間を使いきりました。
「申し訳ありませんが時間がおしておりますので、後ほど個人的にお願いします。」
こうしてMOMotArO達は企業ブースでアンケートに答えてボールペンと試供品のPCRチューブを手に入れて帰りましたとさ。めでたしめでたし。
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(元ネタ: クソリプだらけの桃太郎 - ナナオクプリーズ )