Not so open-minded that our brains drop out.

科学とニセ科学について書くブログ

バイオ系ネタ動画への招待

The PCR Song


The PCR Song - YouTube

BioRad社のサーマルサイクラーのCM動画。サーマルサイクラーとは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)でDNAを増幅するときに使用する実験装置のこと。どう見てもWe Are The WorldPCR Songに全生物学界が泣いた。BioRad社のウェブサイトから歌詞がダウンロードできる。

We Are The World DVD+CD

Bio-Rad GTCA SsoFast


Bio-Rad GTCA Scientist's Cut - YouTube

DNAの定量に用いるRT-PCRのための実験キットの宣伝のための動画。The PCR songの続編的位置づけ。DNAを構成する4塩基のGTCAにYMCAを引っ掛け、Village Peopleの『YMCA』のMVのパロディになっている。


Village People - YMCA OFFICIAL Music Video 1978 ...

ProteinSimple: SimpleWestern.com


ProteinSimple: SimpleWestern.com - YouTube

ウェスタンブロットのための実験キットの宣伝。ウェスタンブロットとは、特定のタンパク質を検出するための実験手法のこと。白衣を着た出演者のブロードウェイばりのダンスが見どころ。

Applied Biosystems Presents SNP Guru


Applied Biosystems Presents SNP Guru - YouTube

アプライドイオシステムズの一塩基多型(SNP)解析キットのCM動画。『料理の鉄人』の米国版Iron Chefのパロディか。実験の鉄人っぽい人たちが熾烈な実験バトルを繰り広げる。ライバルのキャラクタが露骨にキアゲン社のキットを使っていて挑発的だ。

Thermo Scientific - More Than A Freezer


Thermo Scientific More Than A Freezer - YouTube
サーモフィッシャーサイエンティフィック社の研究用冷凍庫の宣伝動画。曲はアメリカのバンドBostonのMore Than a Feelingの替え歌。他社製品と比べて温度が一定で、バクテリアの冷凍保存に適していることをアピールしている。


More Than a Feeling

Reach that Peak

アジレント・テクノロジー社の質量分析装置のCM動画。学会の口頭発表で突然発表者が歌い出すという設定。


Reach that Peak - YouTube


メイキングまで公開されている。

Behind the Scenes Reach that Peak - YouTube

Small Molecule Investigation


CSI - Thermo Fisher Scientific Small Molecule ...

曰く「こんなに迅速に代謝産物の構造を決定できるなんて信じられないわ」。サーモフィッシャーサイエンティフィック社の質量分析装置のCM。海外ドラマ『CSI:科学捜査班』のパロディ。

The Lab Song


The Lab Song (Bruno Mars Parody) - YouTube

これはCMではないが、抜群の歌唱力で完成度が高い。元ネタはBruno MarsのThe Lazy Song。


Bruno Mars - The Lazy Song [OFFICIAL VIDEO ...

Chromosome


Chromosome (telephone parody) - YouTube

これも一般の人が投稿したバイオ系パロディ。元ネタはレディ・ガガのtelephone。動画のコメント欄で、「細胞が爆発(explode)するときに、これアポトーシスと呼ぶ。」という歌詞に対して、アポトーシスネクローシスではないのだから、むしろimplode(内破)と呼ぶべきだ*1、という容赦無いツッコミが入れられている。

Zheng Lab - Bad Project


Zheng Lab - Bad Project (Lady Gaga parody) - YouTube

同じくレディ・ガガのBad Romanceのパロディ。なお、ガガっぽい人の衣装のオレンジのビニールはバイオハザード性廃棄物用のゴミ袋。

*1:アポトーシスネクローシスは細胞死を意味する用語だが、前者は後者とは異なり周辺の細胞に悪影響を及ぼさない特徴がある。

ニセ科学だらけの桃太郎

昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんがディプロマミルへ学位を買いに、おばあさんがEM団子*1を投入されて無駄にBODが上昇した川へ洗濯に行くと、川上から大きな桃がルイセンコルイセンコと流れてきました。

「あれまあ、大きな桃だこと。きっと完全無農薬の奇跡の*2桃に違いない。」

家に持ち帰って桃を割ってみると、桃の中からインナーチャイルドが生まれてきました。

「桃から生まれたから、名前は桃太郎にしましょう」

シュタイナー教育*3を受けて、すくすくと育った桃太郎は、ある日おじいさんとおばあさんに言いました。

「おじいさん、おばあさん。僕は鬼ヶ島へ鬼退治に行ってきます」

桃太郎が鬼ヶ島ヘ向かっていると、向こうから犬が江戸しぐさ*4に倣って道の隅を歩いてやってきました。


「桃太郎さん桃太郎さん、狂犬病ワクチン、ひとつ私にくださいな」

桃太郎はワクチンの代わりに副作用の心配のないホメオパシーのレメディを与え*5、犬を家来にしました。
桃太郎は、続いて猿に出会いました。猿は誰に教えられるでもなくレメディをリクエストしてきました。

「桃太郎さん桃太郎さん、お腰につけたホメオパシック・レメディ、ひとつ私にくださいな」

百匹目の猿*6を家来にした桃太郎は、続いて朝日新聞Webronzaのホメオパシー肯定キジ*7に出会いました。

「桃太郎さん桃太郎さん、スイスでは牛にも使われるホメオパシック・レメディ、ひとつ私にくださいな。」


犬と猿とキジを家来にした桃太郎が鬼ヶ島ヘ着くと、そこでは鬼達がニセ科学批判の真っ最中。桃太郎は鬼達に向かって言いました。

「ガリレオが天動説を唱えた時もそう言われたんだ!」*8

いっせいに鬼達に跳びかかりました。

イヌは鬼に噛みつき、西洋医学は万能じゃないんですよ!
サルは鬼をひっかき、悪魔の証明を要求!
キジは鬼の目をつつき、後釣り宣言!


「あはは、私の腹筋は限界だ、許してくれえ」


こうして桃太郎達は鬼を科学教信者*9と決めつけ、幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。

(元ネタ: クソリプだらけの桃太郎 - ナナオクプリーズ )

バイオだらけの桃太郎

昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんが実験室へピペットマンのチップ詰めに、

おばあさんが機器室へフローサイトメトリーに行くと、検出部に大きな細胞がドンブラコドンブラコと流れてきました。

「こんなに強い前方散乱は見たことがない。セルソーターでソーティングして分取しよう。」

実験卓に持ち帰って細胞を破砕してみると、細胞の中から小さな男の子が出てきました。

「大きな細胞から生まれたから、名前はMassive cell Originated MOTive and ARrival Orphan、略してMOMotArOにしましょう」

すくすくと培養されたMOMotArOは、ある日おじいさんとおばあさんに言いました。

「おじいさん、おばあさん。僕は第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会参加のためポートアイランドに行ってきます」

MOMotArOが神戸ポートアイランドヘ向かっていると、向こうからパブロフの犬がやってきました。

「MOMotArOさん、お腰につけたきび団子、ひとつ私にくださいな」

きび団子を出す素振りだけで、犬がよだれを垂らしてついてくるのを確認したMOMotArOは、続いて野生の猿に出会いました。

「MOMotArOさん、お腰につけたきび団子、ひとつ私にくださいな」

安易な野生動物への餌付けが生態系を乱すことを懸念したMOMotArOは猿との適切な距離を保ちました。

続いてMOMotArOは、生まれたばかりのキジに出会いました。
キジはインプリンティングの結果、MOMotArOを親と勘違いしてついて来ました。

MOMotArO一行がポートアイランドに着くと、そこではPIたちがシンポジウムの真っ最中。MOMotArOはPI達に向かって言いました。

「すみません、理解できていないのは私だけかもしれませんがー」

いっせいにPI達に跳びかかりました。

キジは大御所の名前を間違えてその場を変な空気にしました。
犬はPIに噛みつき、

「見当違いな指摘ならすみませんが」

と本当に見当違いな指摘で質問時間を使いきりました。

「申し訳ありませんが時間がおしておりますので、後ほど個人的にお願いします。」

こうしてMOMotArO達は企業ブースでアンケートに答えてボールペンと試供品のPCRチューブを手に入れて帰りましたとさ。めでたしめでたし。


(元ネタ: クソリプだらけの桃太郎 - ナナオクプリーズ )

なぜか数字を塗りつぶしたグラフをクレベリンゲルの実験結果として公開する大幸薬品(追記あり)

3月27日、消費者庁は「二酸化塩素を利用した空間除菌を標ぼうするグッズ」を販売する17社に景品表示法に基づく措置命令を行った*1。これらの商品はには宣伝されたような空間除菌効果を裏付ける根拠がなかったという*2

命令をうけた17社のうちの1社であり、命令の対象になった『クレベリンゲル』等の商品を製造する大幸薬品は、この措置命令を受けて以下のような発表を行った。

弊社では、自社のみならず研究機関や企業・団体の協力も仰ぎ、研究室や一般居住空間を用いて数多くの二酸化塩素とクレベリンについての実験を繰り返してきました。そのうえで、「二酸化塩素の素晴らしさ」を自信を持ってお伝えし、消費者の皆様に納得してお買上げいただける製品づくりに取り組んでまいりました。この度の件で、対象となる商品をご利用いただいているお客様をはじめとする関係各位にご迷惑をおかけしましたことを、詫び申し上げます。
なお、今回の指摘は、当該2商品の当社ウエブサイト等での広告表現に関するものであり、製品自体の性能については、何ら問題ございません。

(引用元:http://www.seirogan.co.jp/news/20140327Cleverin.pdf 強調は引用者による。)


繰り返しになるが、大幸薬品は、広告表示されていたような「効果」を裏付ける証拠を示せなかったから措置命令を受けたのだ。これが性能の問題でなければ一体何の問題だというのだろう。大幸薬品の反省を疑わせる活動はこれにとどまらない。措置命令後に誤解を与えかねない新聞広告を出して、消費者庁長官が刑事処分に言及する事態に至っている*3

大幸薬品は同31日、全国紙5紙に広告を出し、同社の商品「クレベリンゲル」について「さまざまな実験や検証を行っております」「一般居住空間における検証も行っております」とのメッセージを載せた。消費者庁は、消費者に誤解を与える恐れがあるとして問題視。同日、大幸薬品に懸念を伝えたという。

(引用元:http://www.asahi.com/articles/ASG424T7SG42UTFL00D.html 強調は引用者による。)

公開された「クレベリンゲルを使った実空間実験」のグラフは軸の数字を塗りつぶしている

では、「一般居住空間における検証」の結果は実際のところどうなのか。大幸薬品のウェブサイトには、措置命令がなされた3月27日付で「クレベリンゲルを使った実空間実験」と題したPDFを公開している。

一般居住空間において、『クレベリンゲル』の設置場所として推奨する「部屋の隅の少し高い場所」(高さ1.5m)に商品を設置。居室内に成分がどのように広がるか、濃度測定を行い、均一に広がることを確認しております。

(引用元: http://www.seirogan.co.jp/news/20140327Cleverin.pdfhttp://www.seirogan.co.jp/news/0327_CleverinTest.pdf 強調は引用者による)


さて、二酸化塩素が「均一に広がること」は効果を示す十分な証拠と言えるだろうか。少なくともこれだけでは十分と言えないだろう。それは一つには、二酸化塩素が均一に広がっているとしてもそれが除菌をするのに十分な濃度だとする保証はないからだ*4。では、実際、この実験での濃度はどれくらいで、その濃度はどのように推移したのだろうか。実は濃度の推移を示したグラフがこの発表資料には載っている。

f:id:Mochimasa:20140403214711p:plain

(引用元: http://www.seirogan.co.jp/news/20140327Cleverin.pdfhttp://www.seirogan.co.jp/news/0327_CleverinTest.pdf)


グラフの軸に数字が振られていないし、単位もない。なんて不親切なグラフだろう。と、私は思ったが、それはちょっと違った。このpdfをAcrobat Readerで開き、「テキストと画像の選択ツール」のアイコンをクリックして画像をコピーし、何か適当なプログラム*5にペーストすると、以下のようにな画像が得られる。

f:id:Mochimasa:20140403215405p:plain

(引用元: http://www.seirogan.co.jp/news/20140327Cleverin.pdfhttp://www.seirogan.co.jp/news/0327_CleverinTest.pdf)


実はこのグラフ、元々は両方の軸に数字がふられていたのに、その上から白いボックス*6が被せられ数字が読めないように加工されていたのだ*7。この軸の数字が正しいとすれば、二酸化塩素濃度の最高濃度は0.032 ppm程度で、実験は約12日間にわたって行われたことになる。結局のところ、この数字が実用上の効果を示すに十分なのか、それとも少なすぎるのかはこの実験のみからは判断できない。だが、どうしてわざわざ一部を塗りつぶして重要な情報を隠すかのような処理を行ったのか、理解に苦しむ。

なお、私が確認した限りでは、大幸薬品が専門家向けに公表した二酸化塩素に関する実験のページ*8でも、生活空間での効果を示した実験結果は公開されていなかった。溶液中での実験だったり、マウスの「半閉鎖系ケージ」での実験だったり、病院解剖室の実験だったりで、真正面から実際的な効果を示した実験がない。なぜ解剖室で「室内の浮遊菌量が減少」を確認しているのに、大半の消費者にとってより現実的な居住空間で同様の実験を行わなかったのか*9。これも理解に苦しむ。


本当にこの商品には買う価値があるのだろうか。不信感が募る。

消費者が数字を読めないようにグラフを"完全に"塗りつぶした"大幸薬品(4月5日追記)

改めて上記のPDF ( http://www.seirogan.co.jp/news/0327_CleverinTest.pdf )を確認したところ、文章全体が画像化されており、隠れた軸の数字は完全に読み取れなくなっていた。大幸薬品はファイルを差し替えたのだ。だが、当初の不可解な加工は依然として検証可能である。当初のバージョンの魚拓 ( http://megalodon.jp/2014-0403-2034-23/www.seirogan.co.jp/news/0327_CleverinTest.pdf )を参照して欲しい。

「実空間」→「空間」へこっそり修正する大幸薬品 (4月5日追記)

さらに大幸薬品はトップページからのリンク先を以下のように変更した*10

この修正後のファイルでは、先述のファイルと同じくグラフの軸の塗りつぶしが完全化されている以外にもう一つ修正がなされていた。それは、文章のタイトルが以下のように変更されていることだ。

  • 修正前:「クレベリン ゲルを使った実空間実験について」
  • 修正後:「クレベリン ゲルを使った空間実験について」

この実験はマンション居室で行われたが、「実」空間と呼べるような条件設定ではなかったということか。そうだとすれば、修正するのはいいことだろう。しかし、何の説明もなしに文章を差し替えるのはいかがなものか。何もやましいことがないのなら、修正前のファイルを読んでいた消費者に向けて、きちんと説明すべきだと私は考える。

*1:http://www.caa.go.jp/representation/pdf/140327premiums_2.pdf

*2:http://www.asahi.com/articles/ASG3W5Q12G3WUTFL005.html

*3:http://www.asahi.com/articles/ASG424T7SG42UTFL00D.html

*4:それ以外に少なくともこの部屋の容積、換気の頻度、測定装置の設置位置の高さの情報は必要だろう。

*5:word、ペイント等

*6:白いボックス状のオブジェクトの存在は、pdfの編集が可能なLibra Office 4.2で確認。数字の部分が範囲外に出てしまったとか、別のラベルに隠れてしまったというような事故とは考えにくい。

*7:偶然にもH. Obokata, et al. , Nature 505, 641 (2014).のFig.2eを想起させる。http://stapcells.blogspot.jp/2014/02/blog-post_2064.html

*8:http://www.seirogan.co.jp/medical/eiseidata.html

*9:あるいは公表していないのか。

*10:なぜ先述のファイルを残しておいたのか謎。修正に気づかせないためか単なる残骸か。

国産個人向け遺伝子解析サービスGeneQuestを利用してみた

国産個人向け遺伝子解析サービスGeneQuestがサービスを開始したので、早速試してみた。

利用の流れ

  1. 公式サイトからサンプル採取キットを購入。
  2. 自宅に配達されたキットを使って唾液を採取。
  3. 署名した同意書と一緒にサンプルを送り返す。
  4. 約4週間で解析結果がwebから見れるようになる。

これだけ。難しいことはない。

解析結果はこうなる。

参考例として私の解析結果の一部を紹介する。

f:id:Mochimasa:20140321112042p:plain


上記の例では、糖尿病のリスクが多少高いことが示されている。この結果は後述する23andMe社の解析結果と比べ、リスクが平均よりも高いという点では一致したが、その倍率は微妙に異なっていた。これはおそらく予測の根拠にした研究の違いや計算手法の違いのためだろう。リスクとはもともと確率論的なものだし、表示される数値は飽くまで現時点での研究成果に基づくものだ。利用者はその点を理解した上で、分析結果に接する必要がある。幸いにしてGeneQuestのサイトでは、落ち着いた日本語でそのことが説明されているし、参考文献や予測の根拠となった文献が明記されている。また、必要であれば専門家によるカウンセリングを申し込むことができるようだ。

23andMeとの比較

この種のサービスの先駆けとなったアメリカの23andMe社と比較するとこんな感じ。23andMeの詳細については、本ブログの以前のエントリー参照。

GeneQuest 23andMe
価格 ¥49,800 $99
生データダウンロード
病気のリスク予測サービス ○→☓
医薬品に対する感受性予測サービス
アルコール感受性等の体質予測サービス
祖先・親戚探しサービス
日本国内でのサービス
日本人向けの解析 ある程度、特化している。 必ずしも日本人向けではない。


23andMeとはwebサイトのUIもどことなく似ているし、サンプル採取キットも同じメーカーのものが使われていて、SNP解析には共にIllumina社の製品を使っているらしい*1。明らかに23andMeを意識した作りだ。その23andMeと比較すると、コスパ的には正直微妙。とはいえ、23andMeと同列に語れるような本格的サービスが日本国内には他にない以上、多くの日本人にとってGeneQuestが最有力の選択肢となるだろう。GeneQuestが遺伝学的な意味での日本人に特化したサービスを志向しているというメリットもある。

病気のリスク予測サービスは23andMeとの違いが鮮明に出ている部分だ。GeneQuestは、確定的なリスク予測が可能な単一遺伝子疾患、いわゆる遺伝病を敢えて評価対象から除外しているという。この判断には、23andMeが米当局の警告でこの種のサービスを停止してしまったことが背景にあるらしい*2。また、アンジェリーナ・ジョリーで話題になった乳がんの予測に関しても、誤判定で乳房切除してまう懸念から、予測対象とはしない方針のようだ*3。これらの病気の予測に興味があった人にとっては期待はずれだろうが、一方でこの種の予測にリスク*4があるのは事実だし、23andMeのようにサービス停止に追い込まれては元も子もない。この点は、利用者によって評価が分かれるところだろう。

また、ここで示したサービス内容は飽くまで現時点でのものであることに留意する必要がある。「祖先解析」「薬物反応」(生データの)「ダウンロード」は、解析結果のトップページに灰色になったリンクが用意されていて、クリックするとそれらのサービス提供についての意見が送れるようになっている。今後のバージョンアップに期待したい。

STAP細胞の査読の件、早合点は禁物

STAP細胞の報道では、その研究の経緯にも焦点が当てられている。例えば、産経新聞には、STAP細胞の作製者である理研の小保方氏がNature誌に論文を投稿した際のエピソードが紹介されている。

これほど常識破りだったため、昨年春、世界的に権威ある英科学誌ネイチャーに投稿した際は、「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄していると酷評され、掲載を却下された」。

(引用元: http://sankei.jp.msn.com/science/news/140129/scn14012921250003-n1.htm 強調は引用者による。)


この査読者の酷評も含め、今回の発見が認められるまでの経緯に関しては、ウェブ上でもさまざまな見解が述べられている。本エントリーでは、それらの見解のうち、早合点と思しきものを指摘する。

現時点で、査読者を非難するのは適当か?

id:snowy_moon氏は、査読者のコメントに関して、以下のような見解を示している。

その科学を科学たらしめている現代における最高峰の審査の場で「歴史を愚弄している」などという感情的な言葉で応答することは、科学に対する敬意や謙虚さを見失った、それこそ科学の歴史を愚弄した態度ではないでしょうか。

(引用元: http://snowymoon.hateblo.jp/entry/2014/02/04/202339 )


なるほど。確かに愚弄という言葉は、科学の現場には不相応な言葉というのは一理ある*1。査読者も人間なのでこうした表現を使ってしまうこともないとは言い切れない。しかし、本当に「愚弄」という言葉が使われていたのだろうか。私は、以下のような理由から、これが そのまま議論の前提として受け入れられるほど確実なものとは思えない。

第一に、小保方氏が記者会見でとっさに日本語で語った内容が、原文のニュアンスをそこまで正確に反映しているとは限らないことだ。「翻訳」と「伝聞」が組み合わされれば、元々の意味が正確に伝わらなかったとしても無理はない。例えば、「愚弄」ではなくて「軽視」とも訳せるような単語だとしたら、印象はだいぶ変わってくる*2

第二に、当事者の一方からリークされた内容を額面通りに受け取るのは危険だということだ。査読は査読者と著者の意見のぶつかり合いであり、通常非公開である*3。それを小保方氏の発言だけに頼って査読者を非難するのは公平なことと言えるだろうか。裁判を傍聴していない人が原告の意見だけ聞いて、被告を非難するのと同程度には危うい議論と言えるだろう。

「愚弄」という言葉を額面通りに受け取れない理由はまだある。冒頭の引用にある小保方氏の発言には続きがあるのだ。

 ――ネイチャー誌の査読者の反応は。

 「たいへん厳しくて、あなたは過去何百年にわたる細胞生物学を愚弄(ぐろう)しているという返事をもらった。確証を示すための具体的な実験系の要求は、たいへん多かった」

(引用 : http://www.asahi.com/articles/ASG1Z0PGCG1YPLBJ00W.html)


査読者が、STAP細胞の研究を完全に文字通りの意味で「愚弄」と捉えらえ、取るに足らないものだと見なしていたかというとそうでもなさそうだ。査読において実験を要求するということは、追加実験によって主張が裏付けられれば、その論文の掲載を認めるという意見表明でもあるからだ。

とはいえ、以上のような私の見解も推測に依るところが多く、絶対に査読者は「愚弄」という言葉を使っていないなどと断言するつもりは毛頭ない。査読者を非難するには証拠がまだ足りないというのが私の意見だ。

証拠が足りないと言えば、もう一つ重要な観点がある。それは上記の査読の時点での実験データはどれくらい揃っていたのかということだ*4。真実のいかんに関わらず、十分な証拠の裏付けなしに簡単な刺激だけで多能性細胞が生じるという過激な主張がなされた場合、著者の不用意さが批判の対象になることは当然ありうる。その場合には*5、歴史的な証拠の積み重ねを強固な強調し、それを覆すだけの決定的な証拠を求める厳しいコメントが出てくるのはむしろ正当なことと思われる。

以上を踏まえ、少なくとも現時点では私は査読者を責めることはできない。

ニセ科学界隈が騒ぎ出している??

id:NOV1975氏は、STAP細胞の報道を受けて「ニセ科学界隈が騒ぎ出している模様」と題するエントリーを書いてこう主張する。

「どんなアイデアも全部ありえない事と前例主義で潰していくニセ科学批判派」

小保方さんはアイディアを不十分なエビデンスとともに提示したところ、ありえないとして認められませんでした。前例主義ではなくエビデンスが主張を証明するに足るものではなかったからです。
小保方さんは、科学の前例主義が自分を拒んでいるという考えを抱かず、科学の方法が自分の考えを証明してくれることを信じて愚直にエビデンスを積み上げていった結果、今回、十分に信頼するに足ると認められました。

ニセ科学と呼ばれている人々が決してやらないエビデンスの積み上げをです。

一緒にしては失礼です。

(引用 : http://novtan.hatenablog.com/entry/2014/01/31/141059)


なるほど。その通り。実際、STAP細胞の作製は、隙のない綿密な証拠によって裏付けられている。それを今回の論文が「前例主義のようなもので危うく認められなかった」という切り取り方をしてしまうと、STAP細胞がニセ科学信奉者たちの主張の正当化に悪用されてしまうというわけだ。

しかし、NOV1975氏の致命的な失敗は一行目の一文に集約されている。

ちょっと具体的な発言を見つけられなかったんですが、もっともらしい話なので警告的に書いておきます。

(引用 : http://novtan.hatenablog.com/entry/2014/01/31/141059 )


そう。エビデンスの積み重ねの重要性をあそこまで強調していたNOV1975氏自身が、証拠もなしにニセ科学信奉者を批判していたのだ。この記事をニセ科学界隈が騒ぎ出している模様」と題しておきながら、これはないだろう。実を言うと、私は、ニセ科学信奉者がニセ科学とSTAP細胞を重ねて前者を擁護している例を一つ知っている*6。しかし、事後的に証拠が見つかったからという理由で、あるいは他人が証拠を見つけているという理由で、証拠もなしにこうしたタイトルの記事を書いて誰かを批判する行為が正当化されるわけではない。

よくニセ科学では「いつか証明される」ということを根拠とすることがありますが、証明されてからじゃないとこういった発表が公式になされないというのが科学というものです。

(引用 : http://novtan.hatenablog.com/entry/2014/01/31/141059 )


NOV1975氏は脳内ニセ科学批判者に証拠を要求する前に、まず自分自身が証拠を探すべきだったのだ。ニセ科学信奉者もNOV1975氏も順序を間違えてはいけない。

*1:同時に絶対に書いてはいけないほど、まずい言葉ではないとも思っている。その辺りは判断が別れるところだろう

*2:もちろん、私はそういう可能性は現時点で懸念に値する程度にはあると言っているにすぎない。愚弄としか訳しようのない言葉が実際に使われていたということもないとは言えない。

*3:雑誌によっては公開している場合もあったものと記憶。

*4:この査読に応えて追加実験をだろうから、今回発表された論文よりデータが少ないことはほぼ間違いない。

*5:その場合でも文字通りの「愚弄」という言葉が適切とは言えないが。

*6:http://creative.co.jp/wp/index.php/archives/236

『カルト資本主義』なる本のダメなところ。『ドラえもん』はオカルト?

カルト資本主義』という本がある。ざっくり言えば、オカルトに傾倒している様々な企業等を批判した内容だ。本書のいう「カルト資本主義」とは、そうした組織がカルト的全体主義によって個人を思考停止に陥らせていることを指しているようだ。

カルト資本主義 (文春文庫)

カルト資本主義 (文春文庫)

カルト資本主義―オカルトが支配する日本の企業社会

カルト資本主義―オカルトが支配する日本の企業社会


単行本の出版は1997年*1だから、かれこれ17年も前の本ということになる。それでも、JALの再建で辣腕を奮った稲盛和夫氏の思想、鳩山由紀夫首相夫妻、そして今でも問題になっているEMと、出版後に"大活躍"した人や物が批判の対象になっていて、古臭さを感じさせない*2。加えて、ジャーナリストである著者・斎藤貴男氏が直接取材した内容がふんだんに盛り込まれていて資料としての価値は決して低くはないし、事実現在でもしばしば引用・言及される。

一方で、本書の内容のうち、主に著者による考察・分析の部分には、首を傾げざるを得ない部分がある。本エントリーでは、『カルト資本主義』のそうした負の側面を批判する。

「愚民教育」

そもそもこの本を再読したきっかけは、ゆとり教育を愚民教育とした左巻健男氏の記事*3だ。左巻氏は、本書のTOSSによるEM教育に関する記述を引用して、「“愚民教育”は、この20年余続いてきた「ゆとり」教育の“隠された”目標でもあった。」と陰謀論になりかねないことを主張している*4
左巻氏が引用した本書の記述は、以下の内容だ。

EMを超能力だと教える向山のやり方の本質を表現するのに、多くの言葉は必要ないと思った。わずか一言で事足りる。愚民教育。

(斎藤貴男カルト資本主義』(文春文庫)247ページ)


では、本書の著者は、何を根拠に愚民教育という語を使ったのか。実は、この引用は、文の途中から切り取られたもので、引用部分の頭には「さまざまな取材を重ねた後にこの記述に出会った私は、」という主部がついている。ここでいう「この記述」とは、その直前に引用されている『「教育技術の法則化運動」症候群』という本の斉藤茂男氏による記述だ。

そこで、この引用はどんな内容かというと、

この運動にいま熱烈ラブコールを送っているのは、文部省である。学習指導要領の改訂とも絡んで、文部省はこの運動が現場で支持され、広がってくれることを期待すると明言している。新種とはいえ民間教育運動の流れのなかに生まれた運動であるはずなのに、官の側がそれに寄りそってくるのはなぜなのか。

(ひと編集委員会編「教育技術の法則化運動」症候群(シンドローム) 11ページ)


原典をあたったところ、この引用も不完全で、原文では文頭に「番組のなかでも紹介したが、」とある。この記述は斉藤茂男氏が担当したあるテレビ番組の取材に基づくものなのだ。しかし、その取材で、文部省の誰が何といったのかは一切書かれていない*5。ここで、仮に文科省が当時明確な方針としてTOSSを支持していたとして、それをもって「EMを超能力だと教える向山のやり方」を愚民教育と呼べるのだろうか。そのような見方は、以下のような論点から成立しないと思われる。

第一に、文部省が支持していたとされるのは、TOSSであってEMではない*6。第二に、文部省がEMを支持していたとしても、それが愚民教育であるとまでは言えない。愚民教育という語は、単なる駄目な教育という以上のニュアンス、具体的には意図的に愚かな国民を作ってやろうという悪意ある政策を思わせる言葉だからだ。事実、左巻氏もゆとり教育が愚民教育であるとする文脈で「“隠された”目標」という表現を使っていることから、そう捉えたのだろう。そうだとすると、文部省がEMが人を「愚民」にする教育だと認知していながら、敢えてそれを実行したとする証拠が必要だ。そういう証拠は少なくとも本書では示されていない。

要するに、この論は、微妙にずれた論拠にならない文献に立脚していて、十分な証拠に基づいているとは言えない。

さらにややこしいことに、左巻氏は、EMやTOSSのみならず、ゆとり教育という大きな括りで「愚民教育」なる語を使っている。本書以上に説明を要する主張と思われるが、今後の左巻氏のこの件に関する説明に期待したい。

ドラえもん』批判

著者は当時のアニメはオカルト色が強いとした上で、こうしたアニメがカルト資本主義者の恰好のツールになると指摘する。

美少女戦士セーラームーン』『新世紀エヴァンゲリオン』など、ここ数年の子供向けの人気アニメ作品にはオカルトの色彩が濃いとはかねて指摘されてきた通りだが、最近は『ドラえもん』までおかしな方向に向かっている。九七年春に公開された映画『のび太のねじ巻き都市冒険記』には、惑星の環境を汚す人間を"神様"が懲らしめるという筋書きが盛り込まれていた。幼稚園児の長女にせがまれるままに観覧したものの、カルトに通じるディープ・エコロジーに近い内容には、背筋が寒くなった。子供に地球環境の大切さを訴えるのに、なぜ、得体の知れない"神様"の手など借りる必要があるのか。
ドラえもん』ほど幅広い世代に支持される物語は他にない。自分がカルト資本主義者なら、これほど使えるツールはないと発想するに違いないと思った。

(斎藤貴男カルト資本主義』(文春文庫)447ページ)


劇場版アニメの『ドラえもん』が槍玉に挙げられているが、私は実際にその内容をDVDで確認した。


偶然、ある緑の惑星を手に入れたのび太たちは、そこに街を建設し、自分たちの"ぬいぐるみ"にひみつ道具で命を吹き込んでその星の住民とする。ぬいぐるみたちは、始め動物なみの知能しか持たなかったが、あることをきっかけにして人間並みの知性を獲得する。そして彼らは、ジャイアンを説得して道路建設計画を中止させるまでに成熟した民主的社会を構築するに至る。

確かにこの映画には"種をまく者"という存在が登場し、のび太たちを脅かして追い払おうとする場面がある*7。"種をまく者"はかつて自分が生命の種を巻いた地球が環境破壊で危機に瀕しているために、のび太たち人間がその惑星まで駄目にしてしまうことを憂いていたのだ。しかし、最終的には"種をまく者"はこれ以上の関与は不要と悟り、その惑星を去っていく。"種をまく者"がそう判断したのは、この"ぬいぐるみ"たちならこの星を守っていけると理解したためだ。

この物語は確かにエコロジーの思想に基づくものだが、その理想が自立した精神によって達成されるプロセスを描いた作品でもある。これは、企業の全体主義的カルト思想によって個人が思考停止に陥るという"カルト資本主義"とは対極にある思想と言えよう。『ドラえもん』に関する著者の批評は、180度近くずれているように思う*8

もちろん、現実の生命が"種をまく者"のような存在によって撒かれたという証拠はない*9。また、窮地に陥ったのび太を植物が助けるという場面があるが、言うまでもなく植物にそんな能力はない。その意味では、この映画を全くの事実として子供に教え込めば、事実を誤認させる危険な「ツール」になるのかもしれない。だが、それはフィクション作品全般に言えることだ。セーラームーンエヴァンゲリオンもこれは同じで、それは悪用する人が悪いのであって、作品そのものを批判するのはお門違いというものではないか。


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(元ネタ: http://www2.atwiki.jp/housewife57/pages/5.html )

カルト資本主義』という本の陰謀論的傾向

冒頭で述べたように、本書には読む価値がある。しかし、価値があるのは、主に著者による取材の成果を中心とするファクトであって、著者の分析・考察・意見はそうではない。正確に言うと、後者にも頷ける部分は多々あるのだが、いかんせんノイズが気になる。ノイズがノイズとはっきり分かればまだいいのだが、著者の巧みな文体のためか、妙な説得力があって、上記のように具に検証しないとなかなかそれに気づくことができないから厄介だ。

著者は、ジャーナリストとして企業や政府を批判することに使命感をお持ちのようだ。*10。しかし、この至極真っ当な考えが空回りしているのか、どうも強力なバイアスが働いているように思われる。例えば、EMに関する章の「創価学会人脈」という項では、「創価学会のEMへの肩入れ」という踏み込んだ表現まで登場するが、よくよく読んでみるとEMの推進に関わった公明党創価学会の関係者が何人かいるというだけで、教団組織としての関与について裏付けはないことが分かる。EMの開発者である比嘉氏の父親の葬儀に池田大作氏から樒が送られていたという「関係者」の証言などいかにも(悪い意味で)週刊誌的だ。

また、丸山ワクチン*11に関して以下のような言及の仕方をしている。

偉大な発明や発見は、それによって既得権益を侵される旧体制の迫害を受ける、とは世直しを唱える人々がしばしば口にする嘆きである。丸山ワクチンの顛末は、確かにその通りの現実を示していたかもしれない。だが、EM現象やそれをめぐる論争や対立を、同じ構図で単純に理解してしまっては、本質を見誤る。

(斎藤貴男カルト資本主義』(文春文庫)250ページ)


「かもしれない」とのことだが、EMに関してあれだけ執念深く調査・取材をしている著者が、この程度の認識で丸山ワクチンに言及したのは不用意と言う他ない。

*1:一部加筆修正され文庫版が2000年に出版されている

*2:度々言及されるオウム真理教のことは、当時の世相を思い起こさせるものではあるが。

*3:今は削除されてしまったが、この問題はid:ublftbo氏によって整理されている。http://d.hatena.ne.jp/ublftbo/20140104/p1

*4:記事は削除されたが、「一般の人に説明が難しい問題です。」とし、左巻氏自身の間違いではなく読者の理解を問題にするスタンスのようなので、主張は取り下げられていないはずだ。

*5:この番組『教育は変わるか(3) "教え方"教えます~教育技術改革運動のゆくえ~』は、NHKアーカイブスの公開対象にも入っていない。

*6:TOSSを支持するとEMも付いてくるのだから、同じではないかという人もいるかもしれないが、第二の論点との関連から文部省がEMを意識していたかどうかは重要な問題であって、両者の混同は無視しがたい。

*7:追い払うのが目的なので、懲らしめるというのは少し違う気がする。

*8:ドラえもん』は子供向けアニメなので、非常に分かりやすくそれが描かれている。これが読み取れていないとすれば私は斎藤氏の見識を疑わずにはいられない。それとも最後まで見ずに批判したのだろうか。

*9:いわゆる"意図的なパンスペルミア説"。検証不能な未科学ではあるが、フランシス・クリックは真面目に検討しているようだ。http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20040802

*10:斎藤貴男カルト資本主義』(文春文庫)446ページ

*11:http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20091214